もとは香港のメーカーが開発。「スマートグローブ」の受難

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smartglobe.jpg

 この前のクリスマスでサンタは息子にニンテンドーDSをもってきましたが、それとは別に妻の実家から贈ってもらうプレゼントの候補がありました。

 それが写真の「スマートグローブ」(学研トイズ)です。
 ひとことで言えば「しゃべる地球儀」です。

 アマゾン

 クリスマス前、12月初旬にトイザらスに行ったら、この「スマートグローブ」がいい場所に展示してありました。店頭価格はたしか1万9800円くらいだったか。地理好きの妻がいたくこの地球儀を気に入り、妻の実家から孫へのクリスマスプレゼントとしてお願いしたのですが、なんか、けっこう人気があったようで、品薄なのか手に入れてもらうことができませんでした。

 もともとこの地球儀は、香港のメーカーが開発したとのこと。学研はその日本語版の製造と販売の権利を手に入れて、中国で製造したらしいです。

 で、驚きのきのうの記事。

 「学研地球儀、中国圧力に屈す…台湾を「台湾島」表記」
 http://www.zakzak.co.jp/top/2008_01/t2008010901_all.html

 しゃべる地球儀ですから、文字表記だけではありません。「台湾島」にタッチペンで触れると、「中華人民共和国」「首都は北京」という音声ガイドが流れるらしいです。この地球儀は国歌も流れるので、おそらく「義勇軍進行曲」が流れるようになっていると思います。

 そんな事情を知らなった12月初旬、トイザらスでこの地球儀をいじったとき、もしこれらの音声が流れたら、こりゃまたすごいジョークの不良品だ!とぶったまげていたことでしょう。

 そしてきょうの続報。

 「学研トイ:地球儀に「台湾の首都は北京」、返品応じる」
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080110-00000031-scn-cn

 この地球儀にそんなことが潜んでいたのか。スマートじゃないなあ。今後の販売は中止、そしてすでに売られたものも希望者からは回収される模様です。

 ヤフオクでは、きょうの朝までは入札ゼロだったのに、いきなりプレミア価格での入札になっているのには苦笑しました。はたしてレア物になるか? 機を見て敏なるヤフオクです。

 ヤフオク「スマートグローブ」

 中国の今回の行動は、それが正しいことかどうかはともかく、一国の行動としては当然のことだと私は個人的には思います。国家としてもっとも重大な案件のひとつが領土問題です。自国内の企業が、他国の企業から請け負った輸出用の製造物とはいえ、それが端的に表れる地図(地球儀)について、中国は国として明確な態度を取っただけ。結局、中国の要求を受け入れて販売してしまった日本の学研が、軽率だったと思います。でも、同じ立場にいたら、私も同じ判断をしてしまったかもしれません。多分タイミングが悪すぎたんだと思います。

 中国から学研への要求があったときは、すでにこの地球儀には多数の受注があった後だったらしいです。受注をキャンセルするよりは中国の要求を受け入れたほうがマシという判断だったのか。もちろん利益も考えたのでしょうけど、結局大きく裏目に出てしまいました。これほどの騒ぎになるとは考えなかったのかもしれません。

 また、この「台湾島」のほか、日本にとって直接関係ある樺太が、この地球儀ではロシア領土として色が塗られているらしく、そっちのほうも、かなり大胆だなと思います。

 学研トイズは「不適切な表記があった」として、このスマートグローブの返品を現金と引き換えで応じるとのことですが、これはこれで儀礼的である意味過剰な対応であることを学研トイズ側も十分自覚したうえでの行動のようにも思えます。やはり学習教材の「学習研究社」だからこその対応ということなんでしょうか。

 参考:http://www.gakkentoys.co.jp/

 でも、実際のところ、購入者のうちで「台湾島」や「ロシア色の樺太」に憤慨して返品する人はあまりいないのではないかと思います。おそらく返品があったとしても、その返品の理由の本音は、飽きちゃったからとか、たいして面白くなかったから、とかそんな理由からではないでしょうか。

 私なら製品に添付されていた 「お客様へ」 の紙片に書かれてある文章(前掲記事 中ほど 左写真)を読んで、「そうか、そんな事情ならこれはまあ仕方ないな」とちょっと気持ち悪いけど納得して、子どもには隣国のお国の事情を教えておいて、まったく問題ナシとしてそのまま使うと思います。逆にこの部分が、「国」というものや歴史を子どもに考えさせるホットな教材にもなるかもしれないし。

 この「スマートグローブ」が、今回の受難を乗り越えて、該当箇所をクリアしていつかまた店頭に並んでほしいです。中国ではもう日本向けのものは生産できないと思うので、別の国で生産されることに期待します。復活したら、そのときはあらためて妻の実家の義父母に、今度は孫の誕生日プレゼントとしてお願いしてみます。

 ただ、この商品、今回の問題とは別に、けっこう壊れやすいという不評もあがっていました。たしかに最初にトイザらスで展示品をいじったとき、値段の割りにチャチな感じがしました。新しいバージョンが作られるなら、その点を改良してほしいです。

 今回は香港からはなれた話題でしたが、製品を開発したのが香港のメーカーだったということで……。

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