産経新聞のコラムにちょっと意義アリ

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 産経新聞のSankeiWebに、福島香織さんという方の署名記事 「【外信コラム】北京春秋 パンダvsミッキーマウス」 が7月11日付けで載っていました。

 http://www.sankei.co.jp/kokusai/china/070711/chn070711002.htm

 以下、全文を引用します。

WEB拍手

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産経新聞 SankeiWeb 【外信コラム】北京春秋 パンダvsミッキーマウス

 久しぶりに訪れた香港で驚いたのは、開園30年の老朽テーマパーク、香港海洋公園が大にぎわいだったこと。1997年当時の年間入場者は80万人前後だったのに対し、昨年の入場者数は438万人。香港ディズニーランド開園(2005年9月)1年目の入場者数560万人といい勝負だ。

 香港歓楽街の蘭桂坊の父と呼ばれる辣腕実業家アラン・ジーマンにプロデュースを依頼、04年から思い切ったイメチェンを図ったのが、大成功の鍵だったが、香港返還10周年記念に中国が贈ったパンダを同公園側が受け入れたことの宣伝効果も大きかった。海洋公園にもともとパンダはいたとはいえ、このパンダは「1国2制度成功の証」。意味の重さが違う。ある香港人記者言わく、「ディズニーランドが植民地時代の香港だとすれば、海洋公園は香港資本と中国の支援が一緒になって成功する今の香港」

 米紙ロサンゼルス・タイムズはこの事実を「ミッキーマウスはパンダに勝てない」との見出しで報じた。だが、思うに、パンダ(中国)の勝利というよりは、その名前、楽楽(ルールー)盈盈(インイン)が意味する快楽と盈利(利益)を、香港人は支持したに過ぎないのでは。それに、ミッキーマウスは、はるばる香港まで行かなくても、北京の石景山遊園地にもよく似たのがいますから。

(福島香織)

(2007/07/11 05:57)

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 以上、全文引用しました。

 この記事を書いた記者が引用した「ある香港人記者」のコメント、「ディズニーランドが植民地時代の香港」というのは、ちょっとピンときません。アメリカのディズニーランドをイギリス殖民地時代の香港の象徴というのは、あまりにも乱暴では?

 アメリカとかつての宗主国イギリスを十把ひとからげにくくり 「欧米」 としているのでしょうか。これは記事によれば 「香港人記者」 なる人の見解ということですから、記事を書いた日本人記者の意見ではないですが、見解を借りておいて否定していないからには、その見解を支持していることになります。

 ディズニーランドを外来系、海洋公園を地場民族&本土系と振り分け、そのうえで「(香港)ディズニーランドが(イギリス)植民地時代の香港」とするにはあまりにも無理があります。しかも、言うまでもなく、ディズニーランドは返還後に開園しています(返還して8年後の2005年)。開園計画が返還前にあったとしても、2005年の実際の開園のから現在まで、ここを訪れた香港人や中国本土の人や日本人はじめ外国人の香港ディズニーランドに対する意識には、「アメリカ」はあっても「イギリス植民地」というワードはまったくといって存在していないと私は思うのですが、どうでしょうか。

 また、私がそれ以上にヘンだと思うのは、このコラム記事の締めくくりの「それに、ミッキーマウスは、はるばる香港まで行かなくても、北京の石景山遊園地にもよく似たのがいますから。」の一文。

 「はるばる香港に行かなくても」の主語はいったい誰なのでしょうか。一時期話題になった石景山遊園地には、海外マスメディアの批判的な報道の影響もあってニセモノミッキーはすでにいないので、その一点ですでにこのコラム記事配信の7月11日の時点でこの一文が実体にそぐわない内容だと思いますが、でもとりあえずそれは置いておくとして、私が「?」と思ってしまうのは、「はるばる香港に行かなくても」という部分です。はるばる香港というからには、この一文の主語は当然香港人ではないことになり、文脈からいくと中国本土の人だと思いますが、この一文の前にある「香港人は支持したに過ぎないのでは。それに 」 に続くには、どうも辻褄が合いません。日本語は主語の省略ができるので便利ですが、時として広島の平和記念公園の石碑のように、主語があいまいなまま良しとして読んでしまう(書いてしまう)危険性があります。

 はっきり言って、SankeiWebのこの記事はかなりヘンです。普段このブログではこういうことは書いてこなかったのですが、香港に関する記事の内容が安易に思われたので、ちょっと書いてしまいました。
 

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